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オン・フィールド・レビューの有無

オン・フィールド・レビュー(OFR)

VAR採用の試合において、オン・フィールド・レビュー(OFR)とは、それをする場合としない場合の違い、その手順についてです。

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オン・フィールド・レビューとは

オン・フィールド・レビュー(OFR)とは、主審がフィールド脇のレフリー・レビュー・エリア(RRA)に設置されたモニターで映像チェックすることをいいます。

VAR(ビデオ・アシスタント・レフリー)が採用されている試合のみ行われます。

対象事象は、(1)得点、(2)PK、(3)退場、(4)警告退場の人間違い、の4点において、「はっきりとした明白な間違い」または「見逃された重大な事象」の場面です。

オン・フィールド・レビューの有無

VARに関連して主審が判定を下す場合、下記2通りの場合があることにお気づきでしょうか。

  • モニターで映像チェックをせずに、VARと交信だけの場合。
  • 映像チェックをする場合。

これらの違いは何でしょうか?どう区別しているのでしょうか?

FIFAの公式サイトにシンプルにまとめたページがありましたので載せておきます。

ON-FIELD REVIEW VS. VAR ADVICE ONLY

ご覧の通りですが、おおまかにまとめるとこうです。

  • ライン際のボール位置、攻撃側選手のオフサイドなど、映像の客観的事実で判定すべき場合はVARアドバイスのみ
  • 接触やハンドなど主審の主観的判断が求められる場合はオン・フィールド・レビューを行う

確かに、ゴールラインを割ったかVARが映像分析して結果が出ていることを主審に見せる必要はないですね。結果を主審に伝えて会場のビジョンに映せば無駄な時間を割かなくて済みます。

またVARはあくまで主審のサポートですので、選手が接触で倒れたことがファウルとするか、ハンドの反則とするかなどは主審にゆだねるので、VARが判定を決定することなく、まとめた映像の提供に留めることは理にかなっています。

VARは映像チェックを主審に提案することはありますが、最終判断は主審ですので、それをしたからといって判定が変わるとは限りません。

ちなみに、選手や監督スタッフがTVシグナル(モニターを示す四角のジェスチャー)をして映像チェックを要求することによって主審が行うことはありません。むしろ過度な要求は警告(イエローカード)の対象になります。

オン・フィールド・レビューの手順

  1. VARの対象となる事象が起こり、アウトオブプレーになった後、VARはチェックしていることを主審に伝えます。
  2. その間主審はプレーを再開せず、片手を耳に当て、もう片手を伸ばします。
  3. VARは「はっきりとした明白な間違い」でなければチェック完了の旨を、必要であれば映像チェックの提案を、主審に伝えます。
  4. 主審はTVシグナルを行います。TVシグナルとは、モニターを示す四角のジェスチャーのことです。

    TVシグナル

  5. 主審は次に下記いずれかを行います。
    • VARオンリー・レビュー:映像チェックせずに判定を下します。
    • オン・フィールド・レビュー(OFR):レフリー・レビュー・エリアに設置されたモニターで映像チェックします。再度TVシグナルをし、最終判定を下します。

つまりTVシグナルの回数は、VARオンリー・レビューの場合は1回のみ、オン・フィールド・レビューの場合は映像チェックの前後に1回ずつ計2回示します。

最近では大会によってですが、対象選手など簡単な理由を主審の声で会場に伝える場合もあります。

スタジアムに行った場合はこの一連の流れに注目してみてください。

(このページのイラストは「いらすとや」さんからお借りしました。画像の著作権はいらすとやさんにあります。)

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初版 2023-08-04 / 最終